美宝れいこさん エール株式会社 代表取締役社長
数回の転職を繰り返し、キャリアチェンジを行う。最後のIT・広告代理店の会社では16年間在籍し、社員数約600人いる中で女性初の事業部長を務めた。会社の看板や肩書ではなく、自分の力を社会で試したい、個人として必要とされる、価値を提供できる生き方をしたいと思い、35歳で会社員起業に挑戦し、16年の会社員生活から37歳で独立。現在、働く女性のためのスキンケアAileオーナー、会社員起業専門美宝塾主宰、パラレルキャリアコンサルタント、パラレルキャリア推進委員会代表、エール通信編集長を務める。

《起業した理由》
「私じゃなきゃダメなんだ」って、この先あと何回言われるのだろう。

私は19歳の時に父を亡くし、33歳の時に母も亡くしました。両親がいなくなったことは、何も手がつかなくなるほど喪失感が大きく、なかなか立ち直れずにいました。

仕事を辞めようかなと思っていた時に、通勤電車の中で「あなただけじゃダメなんだって、あと人生って何か言われるだろう」という広告が目に入ったんです。

そのキャッチコピーが、すごい心に刺さったんですよね。(笑) 私じゃなきゃダメなんだって、この先言われることがあるのかなって。今の会社ではある程度のポジションにいるけど、私がいなくても会社は普通に回るし、私でなければいけない仕事じゃないなと思って。
もっと美宝さんだからと言われる仕事をやってみたい!直接お客様からありがとうと言われる仕事をしたい!と思うようになりました。そして、会社を辞めようと思ったんですけど、いきなり辞めるのは怖かったので(笑)パラレルキャリアとして副業を始め、その後独立しました。

《行なっている事業について》
現在3つの事業行っています。
1つ目は「パラレルキャリア」と言う新しい働き方を広めるための会社員起業専門スクール美宝塾を運営しています。

2つ目はプロデュース事業として、働く女性向けの商品開発やサービス開発をしています。200人以上の働く女性が参加しているパラレルキャリア推進委員会の代表を務めているので、働く女性の意見を直接取り入れながら他社商品やサービス開発などをしています。そして、自社ブランドとして、働く女性向けのスキンケアブランドAile(エール)もプロデュースしています。(http://aile.reiciel.com/about.html

3つ目はメディア事業として、働く女性に向けたキャリア情報誌「エール通信」というフリーペーパーを手掛け、企業様に配布しています。2か月に1回発行していて、実際にパラレルキャリアを実践している方や副業解禁している企業、女性起業家、男性ビジネスマンなどのインタビューを掲載し、女性の活躍推進に繋がるようなコンテンツを発信しています。

――事業内で女性に会う機会が多くあると思いますが、どのような働き方を求めている女性が多いですか?

結婚・妊娠・出産を経験して、元のキャリアに戻るのが難しいと模索する人や出産までにキャリアチェンジしたいという方がいます。女性活躍推進と言っても、まだまだ組織で平等に評価されるケースも多いわけではないので、「働き方や生き方には、このままでいいのかな」、「もっと自分を活かして社会に貢献したい」「自分の力で収入も心も満たされて豊かになりたい!」という女性が多くいるように感じます。

――女性労働力率のM字曲線があるように、結婚出産した後に元のキャリアに戻るのが難しいのは、統計的にも出ていますよね。

そうですね。なので「パラレルキャリア」という働き方は会社に勤めながら、スキルを磨くことが出来るので、会社で活かせないものを外でキャリアアップしていける働き方です。結婚して出産した後に会社に戻るのも1つの選択ですし、パラレルキャリアとして培ったものを土台にして起業するのも1つなのかなと思っています。
女性はマルチタスクをこなせる人が多いので、「パラレルキャリア」は合う働き方なんじゃないかなと思っています。副業も解禁され、SNSの普及により発信力や影響力で”個”がブランドとなりスキルシェアで仕事ができる時代なので、1つの働き方や1つの生き方に絞る必要はないと思っています。

《仕事をする上で大切にしていること》
私の仕事に取り組むテーマは、「革新・創造・挑戦」

「新しく生み出し挑戦する」ことを大切にしています。今の時代は、「ないものはない」と言われるほど、モノも情報もサービスも溢れていますが、起業家としては「誰かのマネをしてサービスを作るのは面白くない」と思っています。あるものを掛け合わせることで独自性が出るので、常にイノベーションやムーブメントを考えながら、誰もやっていないこと、誰も発信していないこと、誰も挑戦していないことを考え、その先に1人でもワクワク楽しませることができたり、喜んで頂けたり、人生を彩り豊かに輝かせられるような、サービスやモノを生み出せたらという思いでいつも取り組んでいます。

――チームとして働く上で気をつけていることはありますか?
“個”の能力と適材適所の活かし方ですね。得意不得意が必ず個人にはあるので、チームで働く際には、その人の強みとスキルはどこでどういうカタチが一番活きるのかを見極め、仕事を振るように考えています。また、ヒエラルキー型組織ではなくホラクラシー型組織を目指し、上下関係トップダウンというよりも、フラットで柔軟な風通しの良い関係性を構築したいと思っています。そのために、明確な役割や担当を決めて自主性を尊重し、チーム全体の成果を上げていくことを意識しています。

《主なスケジュールなど働き方のスタイル》
――1日の流れは、どのような感じですか?
起床はだいたい7時ぐらいで、メールチェックなどからスタートします。基本的にアポがある日は1日にまとめて、外出する日とPC作業の日を分けるようにしています。アポがない日は、家での作業がはかどらないので(笑) 10時ぐらいには近くのカフェやオフィスに行くようにして、20時ぐらいまでは集中して仕事をして、そこから夕飯やお風呂などプライベートの時間を使い、0時ぐらいに就寝しています。

――お休みは、どのようにとっていますか?
自分自身の休みは基本的に決めていませんが、取引先は土日休みが多いので、プライベートの用事を入れるのは土日が多いです。平日は基本仕事ですが、家族の用事や友人との会食なども自由に調整して入れています。
夫と2人で同じ事業経営をしているので、仕事もプライベートも切り替えはないですね~。「2人のライフスタイルの中にワークがある」という感じです。

――旦那さんと一緒に仕事が出来るのは心強いですね
そうですね(笑笑)
私は、突然「これやりたい!」とアイデアを出すのが得意で、それを夫は実際にカタチにしてくれるので、とても大変だと思いますが(笑)、公私ともにフルサポートをしてくれています。お互い得意分野が違うので、ビジネスパートナーとしても夫婦としても頼りにしています。2人でやると、阿吽の呼吸でスピード感もアップしますね。(笑)

《女性のプロジェクトパートナーを求める理由》
働く女性へのサービスを提供している会社·・団体なので、必然的に女性の意見を聞くことが多いです。女性はコミュニケーション力が高く、想像力豊かに柔軟な提案ができる人が多いと感じています。また、女性に自信を持ってキャリアを築いてステージアップして欲しいという想いもあるからです。

――最近はダイバーシティが謳われ、女性の活躍が推進されていますよね。
ダイバーシティや男女雇用機会均等法、女性活躍推進は良い取り組みだと思いますが、過剰反応は良くないと思っています。なんでもかんでも男女同じにする必要はなく、女性は女性の良さを男性は男性の良さを、お互いの役割を持った上で「平等に評価される社会」であれば良いと思います。
女性だけでも男性だけでも世界は成り立たないし、ビジネスにおいては両者が手を組むことで大きく飛躍していけると思っています。
ただ、男性は能力評価や活躍できる場が多く用意されているので、私たち女性同士も応援しあいながら、積極的に女性が活躍できる場を広げていきたいと思い、女性パートナーを積極的に選択しています。

――こんな人と働きたいという人物像はありますか?
新しいことにワクワクする人やとにかくやってみよう!と失敗も学びと捉えられるポジティブでチャレンジ精神がある人と一緒に働きたいです。
「社会を良くするため!だれかの役に立つため!」という他社貢献への想いと、意欲的で自分で道を切り拓いていける能動的な人ですね。自ら案を出し行動し、成果を上げていく自立型の人は、スピード感も合うしビジョンが合うと思います。

反対に受動的に言われたことしか出来ない、自分で考えずベストを尽くせない人、出来ない理由ばかりを探してリスクばかりを考えすぎてしまう人とは一緒に仕事は難しいです。

《就活生、転職活動している方など働く女性のメッセージ》

働く女性の60%は自分に自信がないというデータがあり、その自信のなさが女性の場合、キャリアアップに影響していると言われています。なので自己肯定感を上げるためにも、一つ一つの成功から自分を認めてあげることが必要だと思います!少し難しいかなと思っても、積極的にチャレンジして小さくても少しづつでも成功体験を積んで、自分の可能性を信じて恐れずキャリアアップしていって欲しいと思います。